ビールが楽しくなる知識!ホップを探究

ビールが楽しくなる知識!ホップを探究

みなさんこんにちは。ASOBIビールの野村です。
本日はビールにとってとても重要な役割を担う原料であるホップに関する記事です。

ホップってビール以外に馴染みがないなと思われた皆様、実は世界中で栽培されるホップのほとんどがビールに使われています。まさにビールに最適な植物です!
本記事にてホップに関する知識をつけビールライフをよりお楽しみください。

 

1. ホップとは

1-1. ホップがビールにもたらす影響

まずはホップが担っている役割を4点ご説明します。

 

①ビールに「苦味」をつける
ホップにはアルファ酸という成分が含まれており、加熱する事でイソアルファ酸という成分に変化します。このイソアルファ酸がビールの苦味の正体です。
ビールにはIBU(国際苦味単位=International Bitterness Units)という数値がありIBUが高いほど苦味成分の多いビールとなります。ビールを選ぶ際にIBUに着目してみるのも好きなビールに出会える手段の1つです。
ちなみにASOBIのIBUは38で、日本で飲まれている大手さんのラガービールはIBU20くらいと言われています。
コンビニで購入できるIBUの高いビールで代表的なのがヤッホーブルーイングさんの「インドの青鬼」です。公式サイトによるとIBU60です。
是非飲み比べてみてください。

引用:インドの青鬼公式(https://yonasato.com/cms/can/indono_aooni/)

②ビールに「香り」をつける
ホップはビールに華やかな香りを与えてくれます。シトラス、フローラル、スパイシー、グラッシーなどと表現される香りはホップによる香りです。
原料由来の香りの要素として酵母由来の「エステル香」モルト由来の「モルト香」が他にも挙げられます。
ホップ畑で収穫作業をしているだけで華やかな柑橘の香りを感じとても気持ちが良いです。

③ビールの「泡持ち」をよくする
ホップが入っていなければ、一般的な炭酸飲料と同様に泡の正体である炭酸ガスが逃げていきます。ホップを多く使用したビールほど、泡持ちがよくなると言われています。

④ビールの「殺菌効果」を高める
IPA(インディアペールエール)というビアスタイル発祥の一説に
「イギリスがインドを植民地にしている時代、イギリスからインドの駐在員へビールを届けるために防腐剤として活用していたホップを大量に入れ輸送を行なったところ"苦味と香りが強い"ビールが到着し好評であった」という話を耳にされた方も多いかと思います。このIPA誕生秘話からわかる通り、ホップは古来から防腐剤の役目を担っています。

 

1-2. ホップの正体

ホップはアサ科のつる性多年草であり、その高さは6mを超えます。
ホップ畑では鉄筋ポールが天に向かって伸びており、そのポール間に張られたワイヤーから垂らした紐に巻き付くようにホップは成長していきます。1年に1回の周期で、夏に収穫されます。

 

 

 ビールに使われるのは、ホップの雌花であり「毬花(まりはな)」と呼ばれます。毬花を割った際に現れる黄色の粒子を「ルプリン」と呼び、ビールに香りをもたらす物質や、苦味をもたらす物質はこの中に含まれます。

実際に与謝野町をはじめとしたホップ栽培がなされる地域にてホップを手に取りルプリンを確認していただけますので、是非体験に参加してみてください。ご興味がおありの方は与謝野町の収穫体験の詳細をご覧ください。
毎年近畿圏内から多くの方がホップ作業をしに与謝野を訪れられています。

 ホップレンジャーHP:https://yosano-kankou.net/hoprangers/

昨今のホップは、流通や保管に適した形態を求め「ペレットホップ」という乾燥圧縮した形状で使用されます。世界的に有名なホップメーカーであるYAKIMA CHIEF -HOPS-などをはじめとした大規模栽培→ペレット状に加工し世界のブルワリーに届けられ、各ブルワリーでビールが造られています。

引用元:Discover Japan様(https://discoverjapan-web.com/article/11756) 

 

1-3. ホップの種類

世界にあるホップの品種は300種類を超えると言われており、今もなお増加傾向にあります。
それぞれに香りや、苦味をはじめとしたキャラクターがあり醸造家は作りたいビールから逆算して使用するホップを選定します。中には使いたいホップから決めてビールをつくるケースも珍しくありません。
何層にも重なる香りや苦味を求めて複数種類のホップで醸造するケースが主流ですが、シングルホップのみで醸造しシャープな味わいを表現するビールもあります。まさに醸造家の考え方やセンスによるもので、ブルワリーによって色がでる面白い部分でもあります。

1-1で話した苦味付けに適したホップをビタリングホップ、香り付けに適したホップをアロマホップと呼び、1つのビールにおいてそれぞれのホップが何を担うか醸造家が設計していきます。

 

2. 与謝野町のホップ・ビールの変遷

2-1. 与謝野町でのホップ栽培の変遷

与謝野町では2015年よりホップの栽培が始まりました。
7年目を迎えた2021年の収穫量は約1tにまで増加しました。
国内で名高いホップ栽培地は岩手県遠野市、北海道上富良野町などがあげられますが、大規模な栽培をしている地域は大手ビールメーカーの契約栽培地である事が多いです。
与謝野町は契約栽培ではない独立系栽培地として、国内トップクラスの収穫量を誇るホップ栽培地ととなりました。

 

また、2020年より弊社が手がけるビール「ASOBI -Pale Ale-」がリリースされた事で、京都与謝野ホップを使用したビールが通年で飲めるようになりました。

 

昨今はキリンビール様の「とれたてホップ一番搾り」やサッポロビール様の「NIPPON HOP」などが販売され、国内のホップをよりお楽しみいただける商品も増えつつあるので、是非国産ホップ使用ビールも皆様のビールチョイスの候補に入れてみてください!

 

2-2. 与謝野町で栽培されている品種

  1. IBUKI(イブキ)
  2. Saaz
  3. Cascade
  4. Brewers Gold
  5. Bullion
  6. Centennial
  7. Chinook
  8. Columbus
  9. Galena
  10. Magnum
  11. Nugget

京都与謝野ホップは1粒1粒農家さんの手でタイミングを見極め収穫されます。ホップ1粒は約1gであるため約2tとなると約200万粒のホップを手摘みする事を意味し、収穫前後の大変な作業も含め感謝と敬意でいっぱいです。
私たちはホップ農家ではないものの、夏場の繁忙期はホップ農作業のお手伝いに参加させて頂いております。

 

ASOBIに使用している京都与謝野ホップは7.Chinook8.Columbusの2種類です。ASOBIがなぜこの2種類を使用しているかは、別途ASOBIのご紹介記事を公開しますのでお楽しみにしていただけますと幸いです。

京都与謝野ホップの詳細やご購入に関しては、在庫状況などもございますので「京都与謝野ホップ生産者組合」様の公式サイトよりご確認ください。

京都与謝野ホップ生産者組合HP:https://yosanohop.jp/

 

3. 与謝野町でのビール産業

3-1. 京都与謝野ホップと与謝野町のビールの今後

与謝野町は8年間の歳月をかけホップの町として活動を行ってきました。
2022年は京都与謝野ホップを使用されたビールが世界大会で受賞するなど嬉しいニュースが飛び込んできました。今後も品質の向上を追求していきます。

そして2023年7月より与謝野町の唯一の駅である与謝野駅前にビール醸造所が誕生します。ASOBIの姉妹ブランドとなる「丹後屋醸造」です。
丹後屋醸造では、与謝野町で栽培されたホップを活用したビールを醸造し、与謝野町だからこそ醸す事ができるビールを探究していきます。
また、直営のタップルーム(ビールに特化した飲食店)も運営し、与謝野町にお越しいだいた皆様にホップの収穫体験→ブルワリー見学→ビールを飲むという非常に特別な体験をご提供いたします。
是非与謝野町にて乾杯しましょう!

2023年2月末までふるさと納税によるクラウドファンディングを行なっておりました。ご支援いただいた皆様、心から御礼申し上げます。

3-2. 終わりに

2015年から始まったホップ栽培から9年目を迎えた2023年、ホップ産地に加えビールの町としても進化を遂げる与謝野町、是非ご注目いただけますと幸いです。

醸造所併設のタップルームでは、ASOBIも樽生で飲む事ができます。また確定事項ではありませんが、ASOBIをリリースした当時のレシピを踏襲した「ASOBI CLASSIC」なども考えております。

以上、ホップに関して少しはイメージが膨らんだり詳しくなられたでしょうか?ホップを知るとビールがより楽しくなります。中級・上級向けの踏み込んだ記事の執筆も考えておりますので、ご要望がございましたらおっしゃってくださると嬉しいです^^

ビールが、ASOBIが皆様の人生を彩る存在となる事を願っております。

それではまた。
いつかどこかで乾杯できる日を心待ちにしております。

ASOBIビール 野村

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